谷津山は、静岡市街地のほぼ中央に位置する地総面積が約91haの丘陵です。山頂の標高は108mで、東西に約2㎞と長い形状をしています。
山頂からの展望はすばらしく、眼下に静岡市街が広がり、遠方には富士山、南アルプス、伊豆半島、太平洋を望むことができます。ここには四世紀の古墳や歴史的に由緒ある神社仏閣が点在し、それらの史跡を内包する自然環境には多様な生物が生息・生育しています。
鉄道やバスによる交通アクセスが良いことから、学校の遠足や市民の散策などに利用されるほか、野鳥や植物の観察会、環境教育の場所としても活用されています。
今や谷津山は市街地の貴重な緑地であり、市民生活にとって重要な意義と機能を果たしています。
しかしながら、近年になり谷津山には管理を放棄された竹林が広がり、市民の憩いの場所としてふさわしくない自然環境となっています。
過密な竹林となった林床にはごく限られた種の植物しか生育できず、さらに竹林が拡大すれば豊かな谷津山の植生も貧弱化することが懸念されます。
このまま丘陵が荒廃すれば、景観上ばかりでなく、防犯・防災の面でも好ましくなく、さらには有用な教育の場を失うことにもなります。
私たちは、このような公益的価値に富んだ谷津山を再生・保全していくことが市民の務めであると考え、2006年4月にそれまで個々に活動してきた団体が連携しあって『谷津山再生協議会』を設立しました。
これまでに実施した活動は、放置された竹林の整備・伐採、植樹、下草刈り、学校の環境学習支援、子供との触れ合いを求めた各種イベント、植生に関する調査・研究、散策マップ・谷津山紹介冊子作りなど多岐に亘ります。
今後も静岡市街地の貴重な緑の財産として子孫に継承していくためには、一人でも多くの市民の皆様のご協力が必要です。
谷津山再生協議会では、ご一緒に活動していただける個人、団体、会社などのご参加をお待ちしています。
平成23年10月14日
※平成27年5月10日から顧問となる。現総括代表は、石井秀和となります。